出版社内容情報
長屋のおてるが可愛がっている太市が事件に巻き込まれる。長屋を“仕切る”猫・サバはその時――。謎と人情溢れる人気シリーズ第8弾!
内容説明
「鯖猫長屋」の家主で饅頭屋を営むお智の様子がおかしいと聞いた画描きの拾楽は、頼りになる猫サバを連れて店に出向く。ところが、現れた不気味な白い鴉を見たサバは逃げ出してしまう。一方、「二キのご隠居」の世話をしている太市が、お智の店に行ったまま行方不明になっていることが判明し…。太市は事件に巻き込まれたのか、それとも―。人気の「大江戸謎解き人情ばなし」第八弾。文庫書き下ろし。
著者等紹介
田牧大和[タマキヤマト]
東京都生まれ。2007年、「色には出でじ、風に牽牛」(刊行時に『花合せ』に改題)で小説現代長編新人賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
初美マリン
131
騒がしい現実から逃れ、鯖猫長屋を読む。状況を的確に判断し、太市をはじめとして鋭い人ばかり、おてるさん、最高ですね!2020/03/20
SJW
130
長屋の家主、お智が行列のできる饅頭屋を急に店を暫く閉めることになり様子がおかしい。二きのご隠居の所にいる太市が行方不明になり、不気味な白い鴉が拾楽とサバの前に現れ徐々に事件の概要が分かってくる。今回の読み所は、やはり成田屋と拾楽の掛け合い、二きの隠居に窘められる成田屋の情けない言動、サバとさくらの活躍かな。おはまちゃんとの関係も気になる。2020/08/03
ぶち
118
あのアイドルのように皆から可愛がれる少年・太一と、鯖猫長屋の家主で饅頭屋の女将のお智が、人質に!でも、読んでいて安心しちゃいました。太一は相変わらず賢く、度胸も備わってきたようです。お智は、あの剛毅なおてるというお手本がいいのか、肝っ玉が据わってきています。人質という辛い状況ですが、読んでいて二人とも頼もしく感じました。なんといっても一番の成長はサクラです。可愛く、甘えん坊なところは相変わらずですが、サバのように強くもなっています。妖と対峙する力も増してきたようです。今後が楽しみです。2021/04/26
タイ子
107
シリーズ第8弾。饅頭屋のお智と太市が行方不明に。白鴉と呼ばれる千里眼の少年が白いカラスをあやつって鯖猫長屋を不穏な空気に包んでいく。頼りのサバはカラスを見てぼんくら状態に?!いやいや、そこは大将サバの目論見あり。今回も掛井の旦那と捨楽を子分に従え、あやかし相手にサバが大活躍の巻。白鴉の目的が見えてくる終盤、掛井の旦那の言葉がかっこいい!そして捨楽とおはまちゃんの距離が少しづつ近づいていくのが微笑ましい。サバに言わせれば馬鹿馬鹿しい、勝手しろ!だけど・・・。次巻9月まで楽しみ!2020/03/26
はにこ
90
美晴屋でのお智、太市を人質にした立てこもり事件から、話は思わぬ方へ。妖術を使う白鴉。彼らの狙いとは?っという話だった。サバの大将が頼もしすぎる!格好良すぎる!さくらも活躍して偉かった。拾楽とおはまがやっと良い感じになってきた。続編も楽しみ。2020/08/11