内容説明
それでも惹かれあう。 またしても為(な)された再構築。 新たな世界で桐島(きりしま)ユウキに割り振られた役割は、これまで敵だったはずの九十九(つくも)機関の側に立つこと。しかも彼は、神鳴沢(かなるざわ)セカイを使役して世界を救う使命を帯びていた。 苦痛に満ちた“お務(つと)め”を果たすことに疲弊(ひへい)しているセカイは、ユウキに対して冷え切った態度を取るが、ユウキはあくまでも忠実に役割を果たしていく。そうするうち、縮まるはずのなかったふたりの関係はゆっくりと変化していくのだった。 そんな折、とある一夜の出来事が、彼らの距離を急速に近づけていくことになるのだが――
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yobata
33
またしても再構築された世界では、世界を裏側から支えていると自称する九十九機関に所属する事になった桐島ユウキ。彼の使命は、神鳴沢セカイをお務めさせる為に酒盛りをする事。忠実にこなしていく中で二人の関係は近づいていき…。九十九機関編,前編。今回の再構築世界ではセカイを浄化装置として使おうとする九十九機関側の人間なので何でも聞く奴隷という立場ながらも敵であるため、どうくっつくかなぁと思ったけど、セカイは相変わらずチョロいなw酔っ払ってる事によって抱いてとか撫でてとかいつにも増して幼かったなwその分→2015/09/25
ナカショー
32
今度は敵サイドからのスタートでどのように絡んでいくのか気にしながら読んでいったら、まさかああいう風に絡み合っていくとは思いませんでしたw酒の力って偉大。敵対関係だったものの二人の本質はかわらず遠回りしながらも惹かれあっていく姿は非常によかったです。下巻も楽しみです。2015/10/22
よっち
32
またしてもセカイを救えずに次に改変された世界でのユウキの立ち位置は、なんと九十九機関側のセカイの管理役。相容れないはずの立ち位置から二人の関係が始まる第四弾。ユウキの仕事はセカイをお務めに従事させる為に酒盛りに付き合う事。敵役になったことで遠回りこそしましたが、セカイは相変わらずで二人の本質的な部分も変わらないんですね(苦笑)とはいえその立ち位置がこれまでと違うがゆえか、ユウキがこれまでとは異なる選択をした今回。最後のセカイの表情やつぶやきは気がかりですが、それがどういう結末に繋がるのか次巻が楽しみです。2015/09/24
わたー
20
★★★★★ラストがきっついなあ。今回の関係性はまさかの敵対。九十九機関の手先となったユウキと、神であるセカイ。二人の距離が今までよりも遠く、互いが互いに隷属しているからこそ、次第に心を通じ合わせていく姿に惹き付けられた。途中の、抱く云々の話が印象的だった。寧ろ、敵対している方が関係性が進展してるのではと思ったが、そうはならないセカイのポンコツさが愛おしかった。そんな甘い展開があったからこそ、ラストがより辛かった。敵対関係で始まると、こう展開するのかと。どう収束するのか、次回も楽しみである。2015/09/29
垢変更しました
16
シリーズ初の、完全敵対関係から始まる第四巻。当たり前だけど、今までの二編とは趣がだいぶ違った。「監視する者」と「監視される者」という関係だから、これはデレるの時間がかかりそうだなー…と思っていたら割とあっさりとセカイが落ちてちょっと拍子抜け…。その分最後で大どんでん返し食らうし、いい意味でも悪い意味でも期待を裏切ってくれた一冊だった。感情と立場と、どっちをとるかは本当に難しいことだなと改めて思う。ユウキの本当の気持ちも分かってはいるが…厄介だなぁ…。次も楽しみ。2015/11/26