講談社学術文庫<br> 中国の歴史12 日本にとって中国とは何か

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講談社学術文庫
中国の歴史12 日本にとって中国とは何か

  • ISBN:9784065233771

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内容説明

日本にとって、長く圧倒的な超大国であり続けた中国の歴史から、何を学ぶか。6人の研究者が論じる、シリーズ最終巻。
第一章 大自然に立ち向かって(尾形勇)・・・北と南、黄土・砂漠・湖沼など、大きく異なる多様な風土と、人口の変遷から歴史の舞台を見つめ直し、中国史の特質を整理・考察する。
第二章 中国文明論(鶴間和幸)・・・いくつもの「小さな中国」が競合し、「大きな中国」が形成された。食、言葉、服飾などの諸相からみる「多元一体の中華」「アジアの中の中国文明」。
第三章 中国人の歴史意識(上田信)・・・漢族が子どもに最初に教える秩序とは。祖先をめぐるチベット族のタブーとは。歴史をさかのぼることで「中国人」として育つ文化のシステム。
第四章 世界史の中の中国(葛剣雄・大川裕子訳)・・・清朝末期、外部からの圧力に押され、中国は「幻想の天下観」から「現実の世界観」へと転換した。復旦大学歴史学教授が特別寄稿。
第五章 中国史の中の日本(王勇)・・・『漢書』に現れる倭人から、遣唐使の墓誌、明代の倭寇、近代化の手本としての日本まで、豊富な史料から「中国史の内なる日本」光を当てる。
第六章 日本にとって中国とは何か(礪波護)・・・朝貢と畏敬、憧憬と模範、先進と親愛、対等と侮蔑――。常に正負がないまぜとなってきた日本人の中国観を、時間軸に沿って描く。
〔原本:2005年10月、講談社刊〕

目次

第一章 大自然に立ち向かって――環境・開発・人口の中国史 (尾形勇)
第二章 中国文明論――その多様性と多元性 (鶴間和幸)
第三章 中国人の歴史意識 (上田信)
第四章 世界史の中の中国――中国と世界 (葛剣雄)
第五章 中国史の中の日本 (王勇)
第六章 日本にとって中国とは何か (礪波護)
日中交流史の主要人物略伝
参考文献
日中交流史年表
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

115
シリーズ12 完読。やった年内に読めた。 最終巻は総括。土壌、自然災害、料理など、あまり歴史的じゃない章が面白かった。2024/12/28

Tomoichi

15
このシリーズもついに最終巻。やっぱり宋まではダイナミックで面白いけどだんだんつまらなくなる。近代は特にね。とりあえず全巻読み通せて満足。2023/03/25

さとうしん

10
最終巻は章によって執筆者が異なるオムニバス形式で、多くの章で末尾に加筆がある。特に上田信「中国人の歴史意識」の「祖先を取り戻すために」の崇山村の話に深く感じ入った。一方で日本文化は女性性に支えられているということだが、特に保守派の人士に見られる「ジェンダー」という言葉のに対する忌避感を見てると、日本の男性たちはそのことを認められるか?という気もする。2021/06/17

つわぶき

3
中国語訳もされ、しかも中国でヒットして話題になった講談社新版「中国の歴史シリーズ」の最終巻(旧版は70年代に編纂されている。大学時代はお世話になった。)。この巻は、自然環境、文明、歴史意識、世界の中の中国、中国の中の日本及び日本の中の中国とオムニバス形式で様々なテーマを取り扱っている。特に、上田信「中国人の歴史意識」の章に述べられている、日本人には馴染みがないものの、中国人の潜在意識に潜む親族関係(及びその序列)とそれを基軸とする歴史意識は、中国理解に重要な視点を示している様に思える。2021/12/31

でんきひつじ

1
日本と中国の関係性を中心に六つの小論が収録されている。時代区分や国家領域を論じてきた1から11巻までに比べてやや柔らかい文章のモノが多く、そういう意味では気軽に読める。環境の変化が与えた影響や、周辺国家との関係性、さらに日本から見た中国像/中国から見た日本像の変遷など、バラエティ豊かで示唆に富む一冊だった。他の方も言及しているように上田「中国人の歴史意識」は特にフィールドワークの精華というべき論考。ただ著者が言及(P207)しているように一定範囲で観測したものを一般化するのはちょっと危険だと思う。2024/08/08

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