内容説明
ゼミ合宿の写真を見ながら、
尚哉は写真にまつわる高槻の講義と、
ある絵についての依頼を思い出す。
それは女子校の美術部にある絵で、
「絵から抜けだした女を見ると呪われる」らしい。
高槻は早速調査に向かうと言い出すが……。
ほか、ゼミ合宿の裏側で起きていた、沙絵、そして難波のお話や、
イギリス時代の渉と高槻の
「妖精が入っている箱」についての切ない秘密、
佐々倉の誕生日祝いなど、
謎と思い出がいっぱいの番外編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
119
せつないB面の一冊。沙絵さんと難波君の章がいい。前回のゼミ合宿がA面ならこちらはB面、氷室冴子さんのなぎさボーイ、多恵子ガールのよう。あの時の心情を重ね合わせると二重に沁みる。沙絵さんの明るさの裏側を知るとせつない。難波君は本当に尚哉のことを気にかけてくれてる、今回も親友の証を見せてくれてますます良きボーイ。健ちゃんのバースデーもうるっときた。ここにも思い出という、きちんとアキラ先生を繋ぎ止めてくれる太い糸があることを感じ涙。久々の渉おじさんもやっぱり素敵。11巻のあの時、12巻へと逸る気持ち、実に巧い。2025/04/02
mariya926
98
数少ないシリーズで楽しんでいる本です。誕生日は生まれてきてくれた日を感謝する日っていうのは、いいですね。細かい部分も細くされつつ、人魚については、どこかで読んだことがある気がしました。2025/04/14
みゆ
73
やっぱこのシリーズ、EXも楽しめます('∇^d)☆!! 青木ヶ原での沙絵さん・難波くん視点と高槻家にまつわる渉さん・佐々倉視点とスピンオフの醍醐味満載です♪ 特に難波くん、今回もイイ奴やぁ~ 心が和みます「俺の友達の地味メガネくん」は末永く続いていって欲しいです。次巻はじいさまの葬式からですかね。アキラ先生の謎がどこまで解明されるのか楽しみです(o^^o) 2025/05/04
yukaring
62
ゼミ合宿の難波くんや佐々倉さんの誕生日祝いなどほのぼのするお話に癒される番外編3冊目。本編では次第に明らかになりつつある真実がずっしりと重い展開となっているので、今回は少し箸休め的な印象。そして初めて語られる沙絵さんの過去はすごく興味深い。八百比丘尼の人生ってきっと辛い事だらけだろうけど淡々と前向きに楽しんで生きる沙絵さんの姿は本当に素敵。渉おじさんとアキラ先生のイギリスでのお話も切なくてジーンとくる。このまま沢山の思い出を作りながら皆で幸せに過ごせたらいいのにと切に願う、嵐の前の静けさのような1冊。2025/04/25
たま
60
『准教授・高槻彰良の推察』シリーズEX3。巻頭の「美術準備室の女」は推理もの、「妖精の小箱」と「誕生日を祝おう」はイギリスの渉や健司が登場、ほかの3篇は11巻のエピソードを沙絵さんや難波くんの側から【再話】したもの。このエピソードには驚かされたので、再話がおもしろかった。今野敏の隠蔽捜査シリーズでも、同じ事件を別の人物から見た再話が登場し、筋立ては分かっているのに読んでしまう。何か衝撃的な出来事に遭遇したときに、周囲の人とお互いの経験をすり合わせたくなる、そんな心理に訴えるのだろうか。2025/04/12